前回まででスーパーマルエツの企業体質を少し説明したので、それを前提として今回はパワハラと日付改ざんを説明します。
パワハラの内容はあまり珍しいものではありません。スーパーマルエツの生肉製造工場で、現場責任者が10か月にわたり、同一労働にもかかわらず何の理由もなく、一部の派遣労働者に極端な過重労働を課し、しかも「不満ならやめてもらう」と脅したうえ、さらに次々と負担を増やし続けたために負傷したというものです。それ以前からこの状況が継続しており、それは現場責任者である正規職員によるものでした。
そして負傷し勤務が継続できない状態に達したために、被害労働者が製造工場に対して改善と休業補償を要請したところ、スーパーマルエツは本社や製造工場責任者らをはじめとして職員が組織的に口裏合わせ、情報改ざんを繰り返し、被害労働者に対して契約打ち切り、補償拒否、パワハラ否定、パワハラ対処否定を通知したというものです。派遣元企業もスーパーマルエツに迎合して改ざん等に加担する言動を続けているために被害が救済されない状態にあるわけです。
以上がパワハラの概略になりますが、パワハラと負傷だけでなく口裏合わせ、改ざん、契約打ち切り、補償拒否などは様々な法令違反であるので関係当局による厳しい制裁が必要でしょう。そして消費者にとっての大きな問題はこの過程で明らかになった「生肉の日付改ざん」です。
スーパーマルエツは毎月2回、さらにその他にもセールを繰り返しほとんど毎週セールをしていますが、そのセール日の販売数量は生肉製造工場の製造能力を超えてしまうため、超過分を前日に製造しておきセール日に販売しています。そしてこの前日製造を行うと、その前日製造分を割り当てた生産日だけではその増加数量分を処理しきれないため、さらにその前日へと繰り越して製造日をずらしていきます。
こうして数日にわたって店舗発注量について前日製造が続くため、通常であれば製造から店舗での陳列まで半日程度のズレですむのに、実際には毎日1日半のズレが生じます。従ってスーパーマルエツの店舗では、セール日だけでなく多くの日で店頭商品の加工日等の表示が普段よりも古い日付となっていなければなりません。
ところが上述の被害従業員がパワハラの苦情申請を通じて閲覧した生産実績一覧によると、前日製造はほとんど行っていないことになっていることが判明したのです。この実績一覧はコンピューターの管理ファイルとして作成されたもので、商品ラベル自動貼付をふくむ製造システムと連動しています。このためスーパーマルエツは、前日製造分のデータ上の製造実績を改ざんするという手法により、実際の加工日等を改ざんし、前日製造されている製品の商品ラベルの日付を改ざんしていることが明らかになりました。
なお被害従業員はこれに先立ち、パワハラ被害や対応の不正の事実をスーパーマルエツ本社の苦情受付部門に通知し対応を求めていましたが、スーパーマルエツの製造工場責任者は「社長決裁に基づいている」と繰り返し注釈のうえ、前日製造の事実を重ねて否定しました。
スーパーマルエツは生肉製造を子会社に担当させています。上述のように日付の改ざんはこの子会社社長をはじめ工場長ほか多数の職員が関与していることが明らかになっているわけですが、マルエツ各店舗もデータ管理されているため、改ざんには本社及び店舗も加担している可能性が高く、製造工場だけではなく、スーパーマルエツ全体が改ざんに組織的に関与しているといえます。しかも製造実績データで確認した範囲を鑑み、少なくとも半年以上にわたり改ざんが行われているようです。
このブログにスーパーマルエツの記事を掲載したところ(2023年1月9日から)、一昨日(2023年1月13日)、「今後は一切調査や対応をしない」などと繰り返し、何の連絡もなかったスーパーマルエツから被害労働者に対して、突如、「経過を検証したところ」「再調査が必要と判断したため」「改めて調査する」ということを「取り急ぎご連絡させていただく」などと言い出しましたが、今さらの話ですね。